昔は、今のように便利なメディアがなかったから、僕らの情報入手のメディアは雑誌のみ。

 

ダイヤルQ2電話やポケベルってのもあったけど、今回は割愛。

 

だから、こっちの世界の情報は雑誌に頼るしかなかったんですね。

 

でも、僕の住んでた田舎にはゲイ雑誌を売っている店がないところが多くて。
ていうか、ほぼない。(笑)

 

だから、めちゃくちゃ貴重な情報源やったんです。
ゲイメディアとしては、独壇場ってこと。^^

 

今回は、ゲイ雑誌をメインに僕の経験談を話そうと思います。

 

ゲイ雑誌との出会い

 

ゲイ雑誌。

 

これがなかったら、僕は今頃どうなってたことか。

 

雑誌との出会いは、僕の人生の岐路やったんですね。
今でも覚えてる、雑誌を知った時の斬新な記憶。(笑)

 

今はネットが主流やけど、今でも雑誌が入り口やったっていう、若い世代の人もいるのかもわかりませんね。

 

部室で・・・

 

最初に断っておきますが、別に部室でやらしいことがあったわけではないですよ。
期待してたら、ごめんなさい。^^

 

僕がゲイ雑誌を知ったのは、高校の部室。(笑)
他の記事でも書いたけど、後輩たちが道に落ちてたゲイ雑誌を拾ってきたのがきっかけ。

 

その雑誌の名前は「さぶ」。
「さぶ」なんて、今の世代は知らないと思います。

 

後輩ら10人くらいで「うおー、なんやこれ!?」とか言いながら、皆で見てました。

 

後輩らは興味半分で見てただけ。
僕も皆と興奮しながら見てたけど、自分一人だけ違う興奮でしたね。

 

心の中では「こんな世界があったんや・・・!」て感じ。

 

なんというか、めちゃくちゃ救われた気分やったなぁ。。。(しみじみ)

 

なんでかっていうと、それまではマイノリティであることは自分一人だけやと思ってたし、いつかは普通に女を好きになるかも、なんて思ってましたからね。
田舎だから、余計にこう考えてしまうのかも知れません。

 

だから、自分と同じマイノリティがいっぱいいるって知った時、嬉しかったもん。^^

 

ちょっと嬉しくて涙が出たかも。(笑)

 

初めて雑誌を購入

 

で、「さぶ」をこっそり持って帰って(笑)、読みまくった。

 

僕の目には、すべてが衝撃的。

 

でも、興奮はしたけど、その雑誌の内容で抜けることはなかったんですね。(笑)
グラビアモデルがタイプじゃなかったんやと思います。

 

なぜなら、グラビアモデルがガチムチやなかったから。
その時のモデルの写真が、ちょっとハンサム系で裸でバナナくわえてた。

 

こら、抜けんわ。(笑)

 

それでも、小説やコラムは全部読みましたね。
意外と面白かったから。

 

それと、文通蘭も全部読んでました。(笑)
なんでかって、文通蘭が唯一、人と接点が持てるパイプやったから。
とはいうものの、一度も文通したことはなかったんですが。

 

で、気になったのが、雑誌を売ってる本屋が記載されてるページ。

 

僕の住んでる街にも一つか二つ載ってたけど、情報が古いせいか当時はもう置かなくなってたみたいで。
それからしばらくは、本を探すことを諦めて。

 

高校卒業して名古屋の学校に入ってから本屋を探したら、ゲイ雑誌を置いてる本屋を見つけて。

 

あの時は、超興奮しました。^^

 

なんというか、長年探し求めてた恋人に出会ったような。(笑)

 

しかも、「さぶ」以外にも3種類くらいゲイ雑誌が置いてありました。

 

(な、なんやこれ!?)

 

他には、薔薇族、サムソン、アドン・・・。

 

聞いたことのない知らない本がズラ〜っと山積みにされてて。

 

とりあえず、さぶと薔薇族を買おうと考えて小脇に抱え、何度も何度も本屋の中をウロウロして、それでもなかなかレジに行けない。(笑)

 

そらやっぱ、恥ずかしいから仕方ないやないですか。^^

 

30分くらいウロウロして、レジのおっちゃんが客と喋っている時に、他の雑誌の間にさぶと薔薇族を挟んで、おっちゃんにササッと手渡してました。(笑)

 

おっちゃん、一瞬俺の顔をじっと見たけど、何も言わずに雑誌を袋に入れてくれて。

 

本を受け取ったら、そそくさと本屋を出て、一目散に家に帰りましたわ。(笑)

 

そらもう、恥ずかしいのと安堵感と興奮で、身も心もいっぱいいっぱい。

 

家に帰ってから、飯にも目もくれずに、穴が開くくらい雑誌を無我夢中で読んだの覚えてます。

 

拒否された!こんなことって・・・

 

ある時、通学途中の乗り換え駅の近くにも雑誌を置いてる本屋を見つけたんです。

 

(おぉ、ここなら帰り道に寄って買って帰れるやん。)

 

とか思いながら、その本屋に行ったんです。

 

行くと、個人が経営している小さな本屋で、道側にどどんっとゲイ雑誌が並んでまして。

 

ここでも、本を買うのに1時間くらい立ち読みしたりして、なかなか踏み切れなかったの覚えてます。

 

でも、えいや!と思って、レジのおばちゃんに雑誌を渡したら、こんなことを言われたんですよ。

 

「・・・まだ若いんでしょ?君には売れないわ。」

 

(えっ、なんやそれ?!販売拒否?!)

 

ちょっと、いやかなり驚いたけども、売ってもらえなかったんです。

 

えぇ、そんなことあるの?
「まだ若い」って、そういうのとちゃうやん!

 

と、僕は心の中で思いながら「わかりました」と言って、さっさと本屋を出たんですわ。
まさか拒否られるとは思わなかったし、ドキドキしてしまったからね。ちょっと情けないけど。^^

 

どう思います?(笑)

 

なんていうか、このころは(今でもやけど)世間の考え方って、マイノリティは趣味的な位置づけで捉えている人が多かったんやと思います。

 

今でも、世間一般の年齢が上の人たちはそう考えているんやろうなぁ。
そうじゃないのに。

 

この経験がショッキングやったから、それ以来僕はその本屋には行かなくなりました。
当前ですね。恥ずかしいし。

 

プチカミングアウト

 

一般の本屋でゲイ雑誌を購入するっていうのは、ある意味プチカミングアウト。
本屋であるがゆえに、どうしても会計時に店の人との接点がありますからね。

 

だから、ちょっと勇気がいります。

 

そう考えたら、今はネット通販でも買えるし、ゲイショップでも買えるから、恥ずかしい思いをすることなんて皆無ですね。

 

もっとも、雑誌自体が売れなくなってきてるから「本を買うのに恥ずかしい思いをしないために」なんてことを考えることもないと思いますが。

 

でもね、当時僕にとっては、雑誌がこの世界との接点やったから、毎月購入してたなぁ。
もちろん、親に隠れて。

 

販売拒否されてからは、学校の近くにあったゲイに理解のある(?)老夫婦が経営している小さな書店で、いつも購入してました。

 

その老夫婦がゲイに理解があったのかどうかはわからんけども、本屋に行くといつもゲイ雑誌やゲイビデオを色々と紹介してくれましたよ。(笑)
まぁ、商売だからやろうけど、いつも気楽に購入できたから悪い気はしなかったんですね。
今はもうその本屋もなくなってしまって。

 

いろんな意味で、僕にとっては若かりし頃の良い思い出。^^