HIVは身近なもの

HIV感染者とはHIVの陽性者のこと。それは誰でも知ってますよね。
僕らゲイの場合、そのほとんどが性交渉による感染です。

 

HIVのことは知っていても、HIVに感染した友人と接した、または友人が感染していることを認識している人ってどれくらいおるんやろう?
つまり、HIVの友人(または恋人)が自分の近くにいると自覚している人はどのくらいの割合なのか、ということですね。

 

おそらく多くの人が、自分の近くにHIVの友人がいることを知らないでしょう。でも今後、知る機会があるかもしれない。

 

僕は何人かの友人(肉体関係はありません)から「自分はHIVが陽性なんだ」と告げられました。僕に告白してくる理由は、過去に僕がHIVの啓蒙活動を行っていて、普通の人よりはHIVの知識があったからです。

 

自分がHIVに感染したことを知って、思い悩んでメールをくれたやつ。
泣きながら打ち明けてくれたやつ。
自暴自棄になって、周りに自分が感染していることを話しちゃうやつ。
公に感染していることを公表していて、頑張ってるやつ。

 

いろいろな友人がいましたが、彼らは自分が感染しているかどうかを「知る勇気」を持った人たちです。結果的には陽性だったわけですが、HIV検査を積極的に受けて、怖いけど自分の状態を知ろうと頑張ったのです。

 

もちろん感染していることを知ったときはショックだったと思います。でも今は、そのほとんどの友人が元気に普通に生きているのです。

友達に感染者がいても全く不思議ではないということ

あなたの友達にHIV陽性者がいても全然不思議ではありません。むしろ、いると思っていたほうが良いです。HIVは日本にとって対岸の火というのは大昔の話です。

 

でも、なぜかマスメディアはHIVについてあまり取り上げません。メディアで取り上げられないため、今の若い人たちは無関心になってしまい、自分には関係ないと思い込んでしまうわけです。

 

最近になって、STD(性感染症)の一つである梅毒の感染者が6000人を超えたというニュースが流れています。6000人という数字は確認された人数であって、感染に気づいていない人は含まれていません。だから実際にはもっと多いはずです。

 

でもこのようにメディアで取り上げられることは視聴者にとっては有益なことなので良いのですが、なぜかHIVに関してはあまり見たことがありません。

 

はっきりいっておきますが、HIV感染者は減っていません。増え続けています。先進国の中でも日本は残念ながら増加率が高いです。

 

今から約20年ほど前、2000年くらいでしょうか。厚生省のホームページに全国のゲイサウナで採取した使用済みティッシュを調査した結果が載っていました。それを見た僕は驚愕しました。

 

なんと約20%が陽性との結果が出ていたのです。20%ですよ!?

 

つまり5人に一人が感染者ということになります。そして現在も感染者は増えていますから、今は3人に一人くらいの割合になっているかもしれません。

 

この結果は任意による血液抗体検査ではないため、どこまでの信憑性があるのか問われるところだとは思います。でも、少なくともサウナで採取されたティッシュからの結果という事実は変わりません。

 

うつりにくいウィルスなのに、感染者が増え続けています。これは、各個人の知識不足と行動の甘さが招いている結果ではないでしょうか。

 

事実、僕の周りでも次のような誤った知識の人が実際にいるのです。

 

タチだからうつりにくい
唾液や胃液でウィルスは死ぬから精液を飲み込んでも大丈夫
HIVはもう治る

 

タチだからうつりにくいということはありません。どちらかというと、精液の10倍もの感染力のある血液が付着する可能性が高いのはタチです。

 

唾液や胃液でウィルスは死にません。バックはやらないといっている人でも感染しているからです。その経路は口です。

 

びっくりしたのがもう治ると本当に思っている人がいることです。特に若い人たちの間でそう思われています。これはとても危険なことです。

 

誤った情報や無知さからくる現実が、今の状況を招いています。

何も変わらず、今までと同じ付き合い

基本的には、よほどあなたと仲の良い間柄でなければ、HIVに感染している友達が自分から感染していることを告げることはないでしょう。

 

だから、自分の周りに感染者がいるかどうかはわからないかもしれません。でも恋人やセクフレ、親友であれば話をしてくる可能性が高いです。

 

もし、何かのきっかけで自分に関わる人がHIVに感染していることを知ったとしても、特になにか付き合い方を変える必要はないんです。というか、病気になったことがきっかけで付き合いをやめるような人はいないと思いますが。

 

恋人やセクフレが感染していたとしても、セックスはできます。ただ、お互いに病気に対する知識を深く持ち、知識にともなった行動をする必要はありますが、何も難しいことではありません。

 

普通に今までと同じ付き合いを続けてあげてほしいと思います。

HIVはもう怖い病気ではないということ

それでもやはりHIVは怖い病気だという感覚があるかもしれません。でもその怖さは、病気を知れば軽減するものです。知らないから怖いのです。

 

今は治療薬がかなり進歩していて、多くの感染者が命を落とすことがなくなりました。それは薬によってウィルスを封じ込めることができているからです。

 

具体的には、他人に感染させないくらいまでウィルスを減らせるところまできています。それは、自分自身が発症しないことにもつながります。

 

これは僕の考えですが、ここまでくると生活習慣病と変わらないくらいのものになってきたような気がします。なぜなら、生活習慣病は一生薬を飲み続けることで症状を悪化させないようにしているので、そういう意味ではHIVも大差ないと思うからです。

 

どちらかというと、生活習慣病のほうが怖いかもしれませんね。

怖いのは昔と変わらない周囲の偏見

僕自身、HIV感染者の友人らが身近にいるため、それが普通で今までもこれからも付き合い方や関係が変わることはありません。

 

でも、世間では未だに偏見があります。これはとても悲しいことです。それはやはり、情報不足や誤った知識からくるものです。

 

HIVは不治の病
空気感染、飛沫感染するかも
男性同士の特異な病気

 

悲しいことですが、このような偏見が根強いです。これはある意味メディアにもその責任があると思います。

 

保守的な今の日本では、HIVのようなデリケートなテーマはなかなか難しいことかもしれませんが、メディアがもっと積極的に動けば、今の現状を変えられる可能性はあると思うのです。

 

以前は、夜遅い時間にコンドームのCMを流していた時期もありますが、今はそんなCM見かけません。現状ではTVメディアに期待することはできないので、他のメディアでの情報発信をもっとしていけば変わってくると期待しています。

 

そのため、この記事もインターネットというメディアを使って、もっとHIVについての情報を発信できればと思った次第です。

 

情報はHIVという病気のことだけでなく、薬や治療や検査のこと、HIVに対する国のサポート体制や感染者らの考え方など、発信できることはたくさんあります。

 

正しい事実を発信していくことで、少しずつ一般の人にHIVに対する偏見が変わっていくと思うのです。